老化とともに誰でもなる可能性のある病気の認知症は、日常の小さな変化を見逃さないことが大切だ。今回は、順天堂大学医学部名誉教授の新井平伊さんに注意したい症状について話を聞いた。まずこの認知症チェックリストを試してみて。【認知症チェックリスト】□ 今、やろうとしていたことをよく忘れる□ 身近な知人の名前が思い出せない□ 以前買ったのを忘れて同じ物を買うことがある□ 表現したい言葉がすぐに出ない□ 相手に話を聞き返すことが多い□ 計画を立てるのが苦手になった□ うっかりミスが多くなった□ おつりなど簡単な計算が面倒になった□ 別々の作業を同時進行するのが苦手□ 新しい家電の操作が覚えられない□ すぐ怒ったり、気分が落ち込む□ 趣味に関心がなくなった(監修/順天堂大学医学部名誉教授 新井平伊さん)ひとつでも当てはまったら要注意。単なる老化現象と思わず、自分の変化を観察していくことが重要。気になる場合は早めに専門医を受診しよう。
「まだ先のこと」は間違い。こんな症状には要注意!
あなたには、まだ認知症の症状がない?
40代~50代の人からしたら、認知症は親の世代のまだ先のこと…と思いがちだ。しかし、それは大きな間違い!「認知症、特にアルツハイマー型認知症は、軽いもの忘れから始まり、自分にしかわからない『主観的認知機能低下』という段階があります。認知症は早期に発見して、早い段階からアクションを起こすことが何より大切です。この段階で気づくことができれば、生活改善などで、発症や進行を抑えることができます」(新井先生)上のチェックリストに思い当たることがひとつでもあったら、脳の老化が始まっている。自分の変化を見逃さないことが大切だ。教えてくれた人新井平伊さん1953年生まれ。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と臨床を中心とした老年精神医学が専門。アミロイドPET検査を含む健脳ドックを導入した「アルツクリニック東京」院長。2021年に「健脳カフェ」設立イラスト/midorichan 構成・原文/山村浩子