2021年の半導体ランキング、AMDが驚異の64%成長で12年ぶりにトップ10入り

 今年(2022年)も、半導体市場調査会社が公表した半導体ベンダーの売上高ランキング(2021年のランキング)とその解説をお届けする。一言で粗くまとめてしまうと、2021年は「異常な」年だった。ランキングにリストアップされた企業群の中で、4社が50%を超えるきわめて高い成長率を記録した。半導体ベンダー全体の売上高(半導体の世界市場に相当する)は、前年比で約25%増と大きく伸びた。一方で首位あるいは2位を堅持してきたIntelが、ゼロ成長にとどまった。

2021年の半導体ランキング、AMDが驚異の64%成長で12年ぶりにトップ10入り

 半導体業界では、市場調査会社IC Insightsが毎年11月に発表する同年の売上高ランキング予測(推定)と、同じく市場調査会社Gartnerが翌年1月に発表する売上高ランキング(速報値)を参考とすることが多い。今シーズンはIC Insightsがいつもとはやや遅れて2021年12月20日(米国時間)に、売上高が100億ドルを超える半導体ベンダー17社のランキングを発表した。Gartnerは2022年1月19日に上位10社のランキングを公表した。

 2021年のランキングでは3年ぶりにSamsung Electronicsが首位となり、前年(2020年)の首位Intelからトップを奪還した。ゼロ成長のIntelは2位にランクダウンした。2020年に顕著となった半導体市況の供給不足は2021年になってもほとんど解消されず、ごく一部の企業を除くと大手の半導体ベンダーは売上高を大きく増やした。特に第5世代(5G)携帯電話システム向け半導体、機械学習向けアクセラレータ、データセンターのサーバー向けプロセッサが好調であり、これらの市場向けに半導体を供給しているベンダーがランキングの順位を上げた。