ブレットプルーフコーヒーを考案したのは、コーヒーの専門家でもなければ料理家でもない。シリコンバレーの起業家Dave Asprey(デーブ・アスプレー)だった。
Dave Asprey(デーブ・アスプレー)は、起業家、そして投資家として「Bulletproof Executive(ブレットプルーフエグゼクティブ)」を運営してきた。自身のダイエット経験を元にしたベストセラー書籍「Bulletproof Diet(ブレットプルーフダイエット)」 で転機を迎え、ダイエットと健康食品の起業家に転身した。Bulletproof(防弾)とは、デーブが考える肉体と精神がストレスや心配から解放され、エネルギーに満ちあふれた状態を意味するという。
デーブは、カロリー計算やエクササイズなしで、体重をおよそ45kg落とした。その経験を元にした手法は「バイオハック」と呼ばれている。
ハックとは、元来切り刻むという意味があり、物事を深く知り、計測可能にし、問題解決への最短のルートを取るという、シリコンバレーの流儀だ。こうしたシリコンバレーの“ハック”を自分の健康管理やダイエットに取り込む「バイオハック」、それがブレットプルーフダイエットだ。
具体的には、カロリー摂取の割合を、脂肪から50〜70%、タンパク質からは20%、野菜から20%、そして果物とデンプン質から5%に調整して食事を取るようにする。これによって減量とともに、高いパフォーマンスを発揮することができるという。この高脂肪型のダイエットを簡単に実践できるドリンクとして、たくさんのオイルを含むブレットプルーフコーヒーは生まれた。
「バイオハック」が、サードウェーブに新たな支持層を生む「ブレットプルーフダイエット」には、賛否両論が巻き起こっている。「変なものを食べるダイエットに対する強烈な風刺だ」と指示する声もあれば、いわゆる「エセ科学」の類として批判するメディアもある。